Arm Development Studio 2024.0-1リリースノート
リリースオーバービュー
これは、以前の Arm Development Studio 2024.0 リリースに対するマイナー パッチ リリースです。
このパッチリリースでは、Arm Debugger のいくつかの問題が修正されています。その他のすべてのコンポーネントは変更されていません。Arm デバッガーの問題の詳細については、Arm Debugger 6.1.3 リリースノートを参照してください。
以下のセクションではリリース時の製品とクオリティステータスについて記載します
製品について
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
サポートデバイスの完全なリストはSupported Devicesのページを参照してください。
製品に含まれるもの
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDE は、Arm ベースのプロジェクトの作成、構成、ビルド、デバッグ、および最適化を可能にする Eclipse ベースのグラフィカル フレームワークです。
Arm Compiler
Arm Compiler 6ツールチェインによってArmv6-M、Armv7、Armv8、およびArmv9アーキテクチャを含むArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。
Arm Debugger
Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよび提供されているFixed Virtual Platforms (FVP)などのFast Models上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
Arm Fixed Virtual Platforms
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-R、Cortex-MおよびNeoverseプロセッサ向けArm Development StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Arm Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
Arm Streamline
Arm StreamlineはLinux、Android、RTOSおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
リリースステータス
Arm Development Studio 2024.0-1ソフトウェアのリリース済み製品です。
本リリースでの変更点
Arm Development Studioの本リリースでは2023.1 以降、以下の変更が行われました。
追加情報とスクリーンショットについては、Arm Development Studio 2024.0 製品アップデートブログを参照してください。
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDE のベースとなるEclipseのバージョンは、このリリースで Eclipse 4.30 (2023-12) に更新されます。
プロセッサおよびアーキテクチャサポート
以下のプロセッササポートが追加されました:
- Cortex-M52
- Cortex-R82AE
- Cortex-A520AE
- Cortex-A720AE
- Neoverse N3
- Neoverse V3
- Neoverse V3AE
以下のアーキテクチャおよび拡張サポートが追加されました:
- 128-bit ページテーブル (FEAT_D128)
- Float8 (FEAT_FP8), RME Granule Protection Check 2 Extension (FEAT_RME_GPC2), Fine-Grained Write Trap EL3 (FEAT_FGWTE3) を含むArmv9.5-A
- Hardware Dirty State Structures (FEAT_HDBSS および FEAT_HACDBS)
制限事項:
- Neoverse N3 ではArmコンパイラのオプション
-mcpu=hermes
の使用が必要です。これは今後のリリースで-mcpu=neoverse-n3
に変更される予定です - Neoverse V3 ではArmコンパイラのオプション
-mcpu=poseidon-v
の使用が必要です。これは今後のリリースで-mcpu=neoverse-v3
に変更される予定です - Neoverse N3 のArm Fixed Virtual Platformは、Fast Models 11.26 FVP Std Library のリリースで利用可能になります
Arm Compiler for Embedded
本Arm Development Studioのに含まれるArm CompilerはArm Compiler for Embedded 6.22にアップデートされました。本バージョンの詳細についてはRelease Note を参照してください。
Arm Compiler 5 はレガシー製品となり、Mainstream Support の最終フェーズを迎えました。そのため、Arm Development Studioの製品とともには提供されなくなりました。しかしながらArm Compiler 5 はまだ既存のプロジェクト、旧Armv4、Armv5、またはArmv6 ターゲットの新しいプロジェクト用にご使用いただけます。-こちらのページ内からArm Compiler 5 に関するリンクを経由してダウンロードし、Arm Development Studio内でツールチェインとして追加してください。他のすべての新規プロジェクトについて、Armは非機能安全プロジェクトではArm Compiler for Embedded 6 を、または機能安全プロジェクトでは最新のArm Compiler for Embedded FuSa(Functional Safety) を使用いただく事を強く推奨します。
Arm Debugger
リリースの Arm Development Studio のArm Debuggerは、Arm Debugger 6.1.3 に更新されています。詳細については、Arm Debugger 6.1.3 Release Noteのページを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.25にアップデートされました。より詳細についてはFast Models 11.25 Release Notesのページを参照してください。
FVP models for FVP_MPS2_Cortex-M52, FVP_BaseR_Cortex-R82AE, FVP_Base_Cortex-A520AE, FVP_Base_Cortex-A720AE, FVP_Base_Neoverse-V3x1-Neoverse-V3x1, FVP_Base_Neoverse-V3AEx1-Neoverse-V3AEx1 モデルが追加されました。
TarmacトレースをFVPモデルからキャプチャできるようにするために、TarmacTrace.so/.dll が追加されました。
Arm Streamline
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Streamlineはversion 9.1にアップデートされました。より詳細についてはArm Performance Studio 2024.1 Release Noteのページを参照してください。
Streamline による Energy Probe のサポートは非推奨となりました。
Arm Graphics Analyzer
Arm Graphics AnalyzerはArm Development Studioに含まれなくなりましたが、Arm Performance Studio (旧称 Arm Mobile Studio)の一部として利用可能です。Arm Performance Studio 2024.1 Release Noteのページを参照してください。
Examples
以下を追加しました:
- Cortex-M52、Cortex-X4、および Neoverse V3 のベアメタルサンプル。Neoverse N3の場合、Neoverse N2 のサンプルをスタートアップのリファレンスとして使用できます
- Embedded 6 用 Arm コンパイラと GCC の両方に対する、Generic Interrupt Controller (GIC)の使用方法を示す Cortex-R52 のベアメタルサンプル
- CMSIS-Packs を使用方法のサンプルを CMSIS 6.0.0 に更新しました
- Embedded 6 用 Arm コンパイラとAEMvA FVPモデルおよびデバッガでの 128-bitページテーブル(FEAT_D128) のサポート機能がわかるArmv9-A のベアメタルサンプル
- Embedded 6 用 Arm コンパイラとAEMvA FVPモデルおよびデバッガでの Float8 (FEAT_FP8)のサポート機能がわかるベアメタルサンプル (「sme2_fp8_matmul_fp32」)
Supported Host Platforms
サポートされるホストプラットフォームは Getting Started GuideのHardware and host platform requirements の章をご参照ください。
本Arm Development Studioのリリースでは、Red Hat Enterprise Linux 7 のサポートが削除されました。
本リリースでの既知の問題
- Arm Development Studio は、権限ベースの攻撃に対して脆弱である可能性があります。脆弱性を軽減する方法について、より詳細についてはInstaller vulnerabilities CVE-2022-43701, CVE-2022-43702, and CVE-2022-43703のページをご参照ください
- セミホスティングにより、ターゲットデバイス上のコードがファイルにアクセスし、デバッガホスト上のシステムコマンドを実行できるようになります。ホスト上の機密データも公開される可能性があります。セミホスティングを使用する前に、セキュリティへの影響を評価して軽減する必要があります
サポート
Arm Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideはArm Development Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
チュートリアル、ドキュメントおよびビデオがArm Development Studio Resourcesにあります。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupport Servicesサイトもご利用いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Arm Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。