Arm Development Studio 2025.1リリースノート
リリースオーバービュー
これはArm Development Studio 2025.1のマイナーパッチリリースです。このパッチリリースでは、Arm Development Studio 2025.1で提供されるArmデバッガ6.8.0のいくつかの問題を修正しています。その他のコンポーネントは変更されていません。Armデバッガの問題の詳細については、 Arm Debugger 6.8.1 Release Notesをご覧ください。
以下のセクションではリリース時の製品とクオリティステータスについて記載します
製品について
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
サポートデバイスの完全なリストはSupported Processor Coresのページを参照してください。
含まれるコンポーネント
Arm Development Studio IDE 2025.1
Arm Development Studio IDE は、Arm ベースのプロジェクトの作成、構成、ビルド、デバッグ、および最適化を可能にする Eclipse ベースのグラフィカル フレームワークです。
Arm Toolchain for Embedded Professional 21.1.1
Arm® Toolchain for Embedded Professional (ATfEP) は、次世代の Arm embedded C/C++ コンパイルツールチェーンです。 このツールチェーンは、要求の厳しい市場向けに高性能なArmベースの組み込み製品を開発する現在および将来の開発者のニーズに重点を置いています。 ATfEP は、Arm Compiler for Embedded 6 (AC6) とともに Arm Development Studio に含まれています。 ATfEP は多くのユースケースで AC6 の代替として使用できますが、最適化の焦点と機能が異なるため、様々なプロジェクトに適しています。 ATfEP は次のようなユーザーに適しています。
- Arm 64 ビット (AArch64) プロセッサのパフォーマンスを最大限に最適化する必要があるプロジェクト
- Arm Compiler for Embedded 6では利用できないLLVMプロジェクトの追加機能を利用したいプロジェクト
- 2024年以降に実装されたArmアーキテクチャとプロセッサのサポートが必要なプロジェクト
- GNU Embedded Toolchain for Armとの高い互換性を持つコンパイラの恩恵を受けるプロジェクト
- 高性能で無料で使用できる 100% オープンソース コンパイラ (Arm Toolchain for Embedded) との 100% の互換性の恩恵を受けるプロジェクト
ATfEPは、User-Based Licensing (UBL) ライセンスによってのみ有効化され、Armノードロックライセンスおよびフローティングライセンスで使用される FlexNet Publisher ライセンステクノロジとは互換性がありません。
詳細については、Arm Toolchain for Embeddedを参照してください。
Arm Compiler for Embedded 6.24
Arm® Compiler for Embedded 6は、開発が終了した成熟したArm組み込みC/C++コンパイルツールチェーンです。リリース6.24(2025年4月)は、6.16LTSおよび6.22LTS機能安全ブランチのメンテナンスアップデートリリースを除く、AC6の最終リリースとなりました。AC6は、以下の方々にご興味を持っていただけると考えられます。
- すでにAC6を使用しており、別のコンパイラへの移行を避けたい既存のプロジェクト
- Armv6-MまたはArmv7-Mで最高のパフォーマンスまたはコードサイズの最適化を必要とするプロジェクト
- 複雑なメモリレイアウトを管理するためにスキャッタローディングの恩恵を受けるプロジェクト
- 機能安全コンポーネントを含むプロジェクト。Arm Compiler for Embedded FuSaは別途ダウンロード可能で、DS Gold(ノードロック/フローティング)およびDS Gold FuSa(UBL)のライセンスに含まれています
詳細については、Arm Compiler for EmbeddedとArm Compiler 6.24 Release Notesを参照してください。
Arm Compiler 5はレガシー製品であり、Arm Development Studioには含まれていません。2014年にAC6に置き換えられ、それ以降はメンテナンスされていません。AC5は新規プロジェクトでの使用は推奨されず、UBLライセンス技術とも互換性がありません。
Arm Debugger 6.8.1
Arm® DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびArm Development Studio に付属するFixed Virtual Platforms (FVP)などのFast Models上でのソフトウェア開発をサポートします。 Arm DebuggerはArm® ULINKおよびArm® DSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
詳細については、Arm Debuggerを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms 11.30
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex®-A、Cortex-R、Cortex-MおよびNeoverse®プロセッサ向けArm Development StudioではArm® Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Arm Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
詳細については、Fixed Virtual Platformsを参照してください。
Arm Streamline 9.7.2
Arm® StreamlineはLinux、Android、RTOSおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm® Mali™ GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
詳細については、Streamline Performance Analyzerを参照してください。
プロダクトクオリティ
これらの成果物は、Armと各ライセンシー間の契約(以下“Agreement”)の条件に基づいてリリースされます。 計画されていた検証および妥当性確認はすべて完了しており、本リリースはAgreementの条件に基づき量産に適しています。
Arm Development Studio 2025.1-1 のシステム要件
サポートされているホストプラットフォームのリストは、Getting Started Guideの Hardware and host platform requirementsセクションに記載されています。
以前のリリースとの違い
Arm Development Studioの本リリースでは2025.0 以降、以下の変更が行われました。
追加情報とスクリーンショットについては、Arm Development Studio 2025.1 製品アップデートブログを参照してください。
プロセッサおよびアーキテクチャサポート
以下のプロセッササポートが追加されました:
- C1-Nano
- C1-Pro
- C1-Premium
- C1-Ultra
以下のアーキテクチャのサポートが追加されました:
- Generic Interrupt Controller (GIC) v5
Arm Toolchain for Embedded Professional
Arm Toolchain for Embedded ProfessionalがArm Development Studioの今回のリリースで(ATfEP) 21.1.1にアップデートされています。
詳細については、Arm Toolchain for Embedded Professional documentation indexを参照してください。
Arm Debugger
リリースの Arm Development Studio のArm Debuggerは、Arm Debugger 6.8.1 に更新されています。
Arm Debugger 6.8.1 には、以下のバグ修正が含まれています:
- DSCORE-25287: SMP接続で無効化されているコアを受け入れる
以前のArm Debugger 6.7.0 から 6.8.0 での変更点は次のとおり:
- JTAGチェーンに接続されたデバイスをスキャンして表示するための新しいコマンド、jtag-scanが追加されました。詳細については、jtag-scanを参照してください。
- info registersコマンドは、明示的なレジスタ名に加えて、レジスタに解決されるシンボルも受け入れるようになりました。詳細については、info registersを参照してください。
- Coherent Mesh Network(CMN)をサポートするために、一連のPythonスクリプトが提供されています。これらのスクリプトは、CMNメッシュの視覚化と構成をサポートし、デバッグ目的での非セキュアアクセスを可能にします。詳細については、Coherent Mesh Networkを参照してください。
- Embedded Logic Analyzer(ELA)スクリプトの機能強化:
- デフォルトでは、ELA-600およびELA-500のユースケーススクリプトが、スクリプトビュー(デバッガー構成データベースからリンク)で利用できるようになりました
- JSON信号マッピングファイルは、ELAに自動的にマッチングされるようになりました
- ELAスクリプトのスクリプトビューからアクセスできるユースケーススクリプト構成ダイアログボックスで、次の操作を行います:
- ELA-600およびELA-500のユースケーススクリプトは、JSON信号マッピングファイルを使用して、信号マスクと比較値のビットフィールドレベルでの編集をサポートするようになりました。これにより、手動でビット計算を行う代わりに、人間が読みやすい信号名を使用してELAトリガーを設定できます
- Commonタブでは、新しいドロップダウンダイアログから対象のELAデバイスを選択できるようになり、ELA構成の前に実行するDevelopment StudioまたはJythonスクリプトを指定するための新しいPre-run scriptオプションが利用可能になりました
- 複数の設定ファイルをインポートおよびエクスポートできるようになりました
- ela_process_trace.pyスクリプトのGeneralタブで要素を設定する際に、解凍およびデコードされたデータを .vcd または .txt ファイルに出力できるようになりました。出力されたデータは、外部の波形ビューアで表示できます
詳細については、Arm Debugger 6.7.0 Release Noteと Arm Debugger 6.8.0 Release Note、 Arm Debugger 6.8.1 Release Noteのページを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.30にアップデートされました。より詳細についてはFast Models 11.30 Release Notesのページを参照してください。
変更点は以下の通り
- FVP_Base_C1-Nano、FVP_Base_C1-Pro、FVP_Base_C1-Premium、FVP_Base_C1-Ultra が追加されました
- FVP_Base_Cortex-A55+Cortex-A75、FVP_Base_Cortex-A55+Cortex-A76、 FVP_Base_Cortex-A57x2-A53x4、 FVP_Base_Neoverse-N2x1-Neoverse-N2x1 は削除されました
Arm Streamline
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Streamlineはversion 9.7.2にアップデートされました。より詳細についてはArm Performance Studio 2025.6 Release Noteのページを参照してください。
Examples
変更は以下の通り:
- C1-Nano、C1-Pro、C1-Premium、C1-Ultra向けにATfEベースのベアメタルサンプルを追加しました
- GCC 14.3.Rel1 を使用するように GCC のサンプルを更新しました
- ATfEのサンプルを更新し、ATfE 21.1.1を使用するようにしました
ホストプラットフォームのオペレーティングシステムのサポート
Windows 10 のサポートは今回のリリースでは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
廃止および削除される機能
以下の機能は非推奨または削除されています。
- Windows 10 のサポートは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
- Arm Fast Models 11.30 では、Armv7-A モデルのサポートが削除されました。CPU モデルである FVP_VE_Cortex-A5x1、FVP_VE_Cortex-A7x1、FVP_VE_Cortex-A9x1、FVP_VE_Cortex-A9x4、FVP_VE_Cortex-A15x1、FVP_VE_Cortex-A17x1、FVP_VE_Cortex-A15x4-A7x4 が削除されました
- 組み合わせモデルであるFVP_Base_Cortex-A55+Cortex-A75、FVP_Base_Cortex-A55+Cortex-A76、FVP_Base_Cortex-A57x2-A53x4、FVP_Base_Neoverse-N2x1-Neoverse-N2x1は削除されました
- アーキテクチャモデルであるFVP_Base_AEMvA、FVP_BaseR_AEMv8R、FVP_MPS2_AEMv8Mは非推奨となり、今後のリリースで削除されます
- Component Architecture Debug Interface(CADI)モデル接続インターフェースのサポートは削除されました。Arm Fast ModelsおよびFVPに接続するには、Irisモデルインターフェースを使用するしか方法がありません
- 以下のデバッガー機能は非推奨となり、今後のリリースで削除されます:ターゲット構成エディター、dbghw_batchupdaterユーティリティ、およびCMMスクリプト互換性
- Arm Development Studio 2026.0(次期リリース)は、FlexNet Publisherライセンスをサポートする最後のリリースとなります。それ以降のリリースに移行するには、ユーザーベースライセンスへの移行が必要です。詳細については、User-Based Licensing ドキュメントを参照してください
本リリースでの既知の問題
Arm Development Studio 2025.1 には以下の既知の問題があります。
- Waylandディスプレイサーバー上のSWTアプリケーションには既知の互換性問題があります。 Arm Development Studio IDEでWaylandディスプレイサーバーを使用する場合は、起動前に環境変数GDK_BACKEND=x11 を設定してX11の使用を強制することをお勧めします。 または、システム上で可能な場合は、ログインセッションでWaylandを無効にすることもできます。
- セミホスティングにより、ターゲットデバイス上のコードがファイルにアクセスし、デバッガホスト上のシステムコマンドを実行できるようになります。 ホスト上の機密データも公開される可能性があります。 セミホスティングを使用する前に、セキュリティへの影響を評価して軽減する必要があります。 たとえば、FVP modelで実行されているセミホストアプリケーションは、FVP modelでセミホスティングが明示的に無効にされていない限り、ホスト マシン上のファイルにアクセスする可能性があります。 同様に、ハードウェアターゲットで実行されているセミホストアプリケーションは、DSTREAM-STなどのデバッグエージェントによって接続されたデバッガーホスト上のファイルにアクセスできます。 後者の場合、デバッガーにはセミホスティングセキュリティポリシーを構成するための制御方法が追加されています。 デフォルトでは、デバッガーでセミホスティングが有効になっている場合、 デバッガーはセミホスティングがデバッガーホスト上のファイルにアクセスしたりシステムコマンドを実行したりすることを禁止します。 ポリシーは、set semihosting policy warn|allow|block commandで調整できます。
サポート
Arm Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideは、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
チュートリアル、ドキュメントおよびビデオがArm Development Studio Resourcesにあります。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupport Servicesサイトもご利用いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Arm Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。
リリースヒストリー
Arm Development Studioの以前の更新の詳細については Arm Development Studio Release Notesをご参照ください。