Arm Development Studio 2026.0リリースノート
リリースオーバービュー
以下のセクションではリリース時の製品とクオリティステータスについて記載します
製品について
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。今回のリリースには、新しいボード起動ツール"Arm SoC Analyzer"を初めて含みます。
サポートデバイスの完全なリストはSupported Processor Coresのページを参照してください。
含まれるコンポーネント
Arm Development Studio には以下のコンポーネントが含まれます。
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDE は、Arm ベースのプロジェクトの作成、構成、ビルド、デバッグ、および最適化を可能にする Eclipse ベースのグラフィカル フレームワークです。
Arm Toolchain for Embedded Professional 22.1.0
Arm® Toolchain for Embedded Professional (ATfEP) は、次世代の Arm embedded C/C++ コンパイルツールチェーンです。 このツールチェーンは、要求の厳しい市場向けに高性能なArmベースの組み込み製品を開発する現在および将来の開発者のニーズに重点を置いています。 ATfEPは多くのユースケースにおいてArm® Compiler for Embedded 6 (ACfE6)の代替となり得ますが、最適化がフォーカスする点や機能が異なるため、ACfE6とは異なるプロジェクトに適した製品となることがあります。 ATfEP は次のようなユーザーに適しています。
- Arm 64 ビット (AArch64) プロセッサのパフォーマンスを最大限に最適化する必要があるプロジェクト
- ACfE6では利用できないLLVMプロジェクトの追加機能を利用したいプロジェクト
- 2024年以降に実装されたArmアーキテクチャとプロセッサのサポートが必要なプロジェクト
- GNU Embedded Toolchain for Armとの高い互換性を持つコンパイラの恩恵を受けるプロジェクト
- 高性能で無料で使用できる 100% オープンソース コンパイラ (Arm Toolchain for Embedded) との 100% の互換性の恩恵を受けるプロジェクト
ATfEPは、User-Based Licensing (UBL) ライセンスによってのみ有効化され、Armノードロックライセンスおよびフローティングライセンスで使用される FlexNet Publisher ライセンステクノロジとは互換性がありません。
詳細については、Arm Toolchain for Embeddedを参照してください。
他のコンパイルツールチェーンの使用
Arm® Compiler for Embedded 6(ACfE6)は、開発が終了した成熟したArm組み込みC/C++コンパイルツールチェーンです。リリース6.24(2025年4月)は、6.16LTSおよび6.22LTS機能安全ブランチのメンテナンスアップデートリリースを除く、ACfE6の最終リリースとなりました。ACfE6は、以下の方々にご興味を持っていただけると考えられます。
- すでにACfE6を使用しており、別のコンパイラへの移行を避けたい既存のプロジェクト
- Armv6-MまたはArmv7-Mで最高のパフォーマンスまたはコードサイズの最適化を必要とするプロジェクト
- 複雑なメモリレイアウトを管理するためにスキャッタローディングの恩恵を受けるプロジェクト
- 機能安全コンポーネントを含むプロジェクト。Arm Compiler for Embedded FuSaは別途ダウンロード可能で、DS Gold(ノードロック/フローティング)およびDS Gold FuSa(UBL)のライセンスに含まれています
ACfE6はArm Development Studioには同梱されなくなりましたが、Arm Development Studioと組み合わせて使用することは引き続きサポートされています。 ACfE6が必要な場合は、別途ダウンロードして入手可能です。以下の"廃止および削除される機能 "を参照してください。 詳細については、Arm Compiler for Embeddedと Release Notes for Arm Compiler for Embedded 6.24を参照してください。
Arm GNU ToolchainはArm Development Studioでもサポートされており、パートナー、開発者、およびコミュニティは、 最新のArmアーキテクチャや、GCC、Binutils、glibc、Newlib、GDBといったオープンソースプロジェクトの新しい機能を利用できるようになります。 本ツールチェーンはArm Development Studioには同梱されていませんが、別途ダウンロードして利用可能です。 詳細については、Arm GNU Toolchainのページを参照してください。
Arm Compiler 5はレガシー製品であり、Arm Development Studioには含まれていません。2014年にAC6に置き換えられ、それ以降はメンテナンスされていません。AC5は新規プロジェクトでの使用は推奨されず、UBLライセンス技術とも互換性がありません。
Arm Debugger 6.10.1
Arm® SoC Analyzerは、SoCの立ち上げや機能検証の段階で低レベルな詳細調査を可能にすることで、ハードウェア設計のライフサイクルを支援するコマンドラインツールです。 本ツールはCoreSight™を介してハードウェアデバッグコンポーネントへの直接アクセスを提供し、エンジニアが開発の初期段階でシステム動作の調査、確認、検証を行えるようにします。
詳細については、Arm Debuggerを参照してください。
Arm SoC Analyzer 6.10.1
Arm® DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびArm Development Studio に付属するFixed Virtual Platforms (FVP)などのFast Models上でのソフトウェア開発をサポートします。 Arm DebuggerはArm® ULINKおよびArm® DSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
Arm Fixed Virtual Platforms 11.31
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex®-A、Cortex-R、Cortex-MおよびNeoverse®プロセッサ向けArm Development StudioではArm® Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Arm Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
詳細については、Fixed Virtual Platformsを参照してください。
Arm Streamline 9.7.4
Arm® StreamlineはLinux、Android、RTOSおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm® Mali™ GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
詳細については、Streamline Performance Analyzerを参照してください。
プロダクトクオリティ
これらの成果物は、Armと各ライセンシー間の契約(以下“Agreement”)の条件に基づいてリリースされます。 計画されていた検証および妥当性確認はすべて完了しており、本リリースはAgreementの条件に基づき量産に適しています。
システム要件
サポートされているホストプラットフォームのリストは、Getting Started Guideの Hardware and host platform requirementsセクションに記載されています。
以前のリリースとの違い
Arm Development Studioの本リリースでは2025.1-1 以降、以下の変更が行われました。
追加情報とスクリーンショットについては、Arm Development Studio 2026.0 製品アップデートブログを参照してください。
新機能
プロセッササポート
以下のプロセッササポートが追加されました:
- STAR-MC3
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDEのベースとして使用されているEclipse Platformのバージョンが、4.38.0 v20251201に更新されました。
New Projectウィザード (File New Project)において、一部のプロジェクトオプションの場所が変更されました:
- C ProjectおよびC++ Projectのオプションの場所が変更されました。 新しいCまたはC++のマネージドビルドプロジェクトを作成するには、C/C++ Projectを選択してNextをクリックし、 適切なものとしてC Managed BuildまたはC++ Managed Buildを選択する必要があります。
- 既存のコードを使用した Makefile プロジェクト (Makefile Project with Existing Code)オプションの場所が変更されました。 既存のコードに基づいて新しい Makefile プロジェクトを作成するには、 File Import, C/C++ Existing code as Classic Makefile Projectを選択する必要があります。
Arm Toolchain for Embedded Professional
Arm Toolchain for Embedded ProfessionalがArm Development Studioの今回のリリースで(ATfEP) 22.1.0にアップデートされています。
詳細については、Arm Toolchain for Embedded Professional documentation indexを参照してください。
ATfEPは現在、デフォルトのCライブラリとしてPicolibcを使用しています。 将来的には、CライブラリはLLVM-libcへと変更する予定です。 これにより、再配布時の義務が少なく、より許容範囲の広いライセンスが適用されるなど、数多くの利点がもたらされます。 今回のATfEPのリリースには、オプションのオーバーレイとしてLLVM-libcが含まれており、ユーザーの皆様には今すぐLLVM-libcライブラリの利用を開始していただくことを推奨します。
Arm Debugger
リリースの Arm Development Studio のArm Debuggerは、Arm Debugger 6.10.1 に更新されています。
主な新機能は以下の通りです:
- info registers およびinfo all-registersコマンドに、以下の追加のレジスタ詳細を表示するための新しい/dパラメータが追加されました:
- サイズ、アクセス、および位置情報を追加します。
- レジスタにビットフィールドが含まれている場合、それらが表示されます。
- Armv8-M、Armv7-M、およびArmv6-Mにおいて、プロセッサ例外が発生した際、Commandsビューに追加の詳細情報が表示されるようになりました。
詳細については、Arm Debugger 6.9.0 Release Noteと Arm Debugger 6.10.0 Release Note、 Arm Debugger 6.10.1 Release Noteのページを参照してください。
Arm SoC Analyzer
今回のArm Development Studioのリリースには、新しいボード起動ツール"Arm SoC Analyzer"が初めて含まれています。 詳細については、Arm SoC Analyzer 6.10.1 Release Noteのページを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.31にアップデートされました。 より詳細についてはFast Models 11.31 Release Notesのページを参照してください。
Arm Streamline
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Streamlineはversion 9.7.4にアップデートされました。 より詳細についてはArm Performance Studio 2026.1 Release Noteのページを参照してください。
Examples
変更は以下の通り:
- GCC 15.2.Rel1 を使用するように GCC のサンプルを更新しました
- ATfEのサンプルを更新し、ATfE 22.1.0を使用するようにしました
廃止および削除される機能
以下の機能は非推奨または削除されています。
- Arm Compiler for Embedded 6.24 (ACfE6) は、Arm Development Studio には同梱されなくなりましたが、 Arm Development Studio での使用は引き続きサポートされており、個別のダウンロードとして入手可能です。 ダウンロード後、解凍してインストールし、 ツールチェーンとして登録してください。
- Arm Development Studioに付属のサンプルを使用するには、ACfE6を通常のデフォルト設定のままツールチェーンとして登録してください。 ACfE6をツールチェーンとして登録する際の最後のステップであるEdit toolchain infoダイアログボックスにて、Version (major) が '6' 、Version (minor) が '24' になっていることを確認してください。
- Arm Development Studioの以前のバージョンでACfE6を使用して作成された既存のプロジェクトとの互換性を維持するには、追加の設定が必要です。 ACfE6をツールチェーンとして登録し、最後のステップであるEdit toolchain infoダイアログボックスでマイナーバージョンを削除して、 Version (major)を'6'に、Version (minor)を空欄に設定してください。
- Windows 10 のサポートは終了しました。
- 今回のArm Development Studioのリリースは、FlexNet Publisherライセンスをサポートする最後のリリースとなります。 現在FlexNet Publisherライセンスを使用している場合、Arm Development Studioおよびそのライセンス対象コンポーネントの今後のリリースを使用するには、 ユーザーベースのライセンス(User-based Licensing)へ移行する必要があります。詳細については、User-Based Licensing ドキュメントを参照してください
- アーキテクチャモデル FVP_Base_AEMvA、FVP_BaseR_AEMv8R、および FVP_MPS2_AEMv8M は非推奨となっており、将来のリリースで削除される予定です。
- 以下のデバッガー機能は非推奨となり、将来のリリースで削除される予定です:Target Configuration Editor、dbghw_batchupdater utility、および CMM script compatibility。
Note: これら2つの登録済みACfE6バリアントは、同じコンパイラを使用しているものの、仕様の異なるツールチェーンとして個別に扱われるため、併用することが可能です。
本リリースでの既知の問題
Arm Development Studio には以下の既知の問題があります。
- Linuxでは、USB経由でデバッグプローブを接続するために、udevルールを手動で追加する必要があります。 関連するルール一式とインストールスクリプト(usb-install)は、`<installation_directory>/sw/debughw/drivers` に用意されています。
- Linux上の、Waylandディスプレイサーバー上のSWTアプリケーションには既知の互換性問題があります。 Arm Development Studio IDEでWaylandディスプレイサーバーを使用する場合は、起動前に環境変数GDK_BACKEND=x11 を設定してX11の使用を強制することをお勧めします。 または、システム上で可能な場合は、ログインセッションでWaylandを無効にすることもできます。
- セミホスティングにより、ターゲットデバイス上のコードがファイルにアクセスし、デバッガホスト上のシステムコマンドを実行できるようになります。 ホスト上の機密データも公開される可能性があります。 セミホスティングを使用する前に、セキュリティへの影響を評価して軽減する必要があります。 たとえば、FVP modelで実行されているセミホストアプリケーションは、FVP modelでセミホスティングが明示的に無効にされていない限り、ホスト マシン上のファイルにアクセスする可能性があります。 同様に、ハードウェアターゲットで実行されているセミホストアプリケーションは、DSTREAM-STなどのデバッグエージェントによって接続されたデバッガーホスト上のファイルにアクセスできます。 後者の場合、デバッガーにはセミホスティングセキュリティポリシーを構成するための制御方法が追加されています。 デフォルトでは、デバッガーでセミホスティングが有効になっている場合、 デバッガーはセミホスティングがデバッガーホスト上のファイルにアクセスしたりシステムコマンドを実行したりすることを禁止します。 ポリシーは、set semihosting policy warn|allow|block commandで調整できます。
- Arm Development Studioの以前のバージョンで作成され、付属のACfE6ツールチェーンを使用していたプロジェクトをArm Development Studio 2026.0にインポートする際、そのツールチェーンが正しく自動検出されない場合があります。 これは、Arm Development Studio 2026.0にACfE6をツールチェーンとして追加し、そのVersion (minor)を空欄のまま設定した場合でも発生する可能性があります。 このような状況では、プロジェクトのツールチェーン設定を再適用する必要があります。 詳細については、Setting up the compilation tools for a specific build configurationを参照してください。
サポート
Arm Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideは、Arm Development Studio IDEのヘルプからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
チュートリアル、ドキュメントおよびビデオがArm Development Studio Resourcesにあります。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupport Servicesサイトもご利用いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Arm Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。
リリースヒストリー
Arm Development Studioの以前の更新の詳細については Arm Development Studio Release Notesをご参照ください。