以下のArmから提供されたいずれかの製品に含まれるIDE経由で、その製品に含まれるバージョン以外のArm Compilerツールチェインを呼び出す場合には個別の設定および手順が必要です。
Eclipse for DS-5から使用する場合
以下の方法はArm DS-5 v5.20以上で対応しています。
Arm Compilerツールチェインのインストール場所に特別な要件はありません。
ツールチェインを登録するには、Arm DS-5 Getting Started GuideのAbout registering a new compiler toolchainを参照してください。
登録が完了すれば、Eclipse for DS-5のプロジェクトからツールチェインを使用できるようになります。
登録されたArm CompilerツールチェインはEclipse for DS-5上で設定されたライセンスを参照します。機能安全Arm CompilerツールチェインはDS-5 Ultimate Editionのライセンスを必要とすることに注意してください。
select_toolchainあるいはsuite_execユーティリティを使うことで上記で登録したものと同じライセンス設定を使用してツールチェインをコマンドライン(DS-5 Command Prompt)から使用できます。
コマンドラインからの使用についての詳細はArm DS-5 Getting Started GuideのConfiguring a compiler toolchain for the DS-5 command promptを参照してください。
◆select_toolchainあるいはsuite_execユーティリティを使用しないでコマンドライン環境を設定する場合
この場合、Armは以下の方法を取ることを推奨します:
- Eclipse for DS-5からライセンスの設定を行います。
- 以下の環境変数の設定値を確認するために、オペレーティングシステムのコマンドラインユーティリティ(DS-5 Command Prompt等)を一度実行します:
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- ARMLMD_LICENSE_FILE
- ARM_PRODUCT_PATH
- ARM_TOOL_VARIANT
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- ARMCOMPILER6_ASMOPT
- ARMCOMPILER6_CLANGOPT
- ARMCOMPILER6_FROMELFOPT
- ARMCOMPILER6_LINKOPT
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- ARMCC5_ASMOPT
- ARMCC5_CCOPT
- ARMCC5_LINKOPT
- ARMCC5_FROMELFOPT
上記の環境変数を実際に使用したいコマンドライン環境でも全く同じになるように設定します。
これらの環境変数の値は、DS-5のバージョンとEclipse for DS-5で行ったライセンスの設定に依存していることに注意してください。 どちらかが変更された場合は値を再取得して設定しなおす必要があります。
Arm Development Studio IDEから使用する場合
Arm Compilerツールチェインのインストール場所に特別な要件はありません。
ツールチェインを登録するには、Arm Development Studio User Guideの"Register a compiler toolchain"を参照してください。
登録が完了すれば、Arm DS IDEプロジェクトからツールチェインを使用できるようになります。登録されたArm CompilerツールチェインはArm DS IDE上で設定されたライセンスを参照します。
◆Arm Compiler 4.1およびRVCTリリースを含むArm Compiler 5.04u2以前のバージョンあるいはArm Compiler 6.00のための追加の手順
これらのバージョンを使用するには追加のライセンスのインストールが必要です。
追加ライセンスのインストールは以下の手順に従って下さい。
- 追加のライセンスをここからダウンロードします。(ダウンロードにはライセンスを取得したアカウントでのログインが必要です)このライセンスファイルに含まれる情報をArm Development Studio SilverあるいはGold Editionのライセンスに追加することで旧リリースのArm Compilerを使用できるようになります。
Arm Development StudioのBronzeおよびEvaluation Editionのライセンスでは旧リリースのArm Compilerを使用できません。
- ダウンロードしたライセンスファイルの中身をArm Development Studioライセンスファイルの最後に追加します。追加作業は、単純にテキストエディタを使用して追加ライセンスのすべての行をArm Development Studioのライセンスファイルの末尾にコピーするだけです。元のライセンスファイルのバックアップコピーを作成することを推奨します。
- フローティングライセンスの場合、ライセンスファイルの修正後にFlexNet Publisherサーバーを再起動する必要があります。ソフトウェアライセンスのFAQ "Starting/restarting the license server(s)"を参照してください
◆Arm DS IDEから機能安全Arm Compilerを使用する特別なケース
機能安全Arm Compilerツールチェインversion 6.xはArm Development Studio ライセンスのversion 2019.0以降で使用することができます。
以下の手順は、Gold Editionのライセンスを持っていないものの機能安全Arm Compilerのライセンスは保有している場合、機能安全Arm Compiler 5ツールチェインを使用する場合、あるいはArm Development Studioバージョン2018.0を使用する場合にのみ必要です。
機能安全Arm Compilerライセンスを購入済みであり、Arm DS IDE上からビルドの為にそのライセンスに応じたツールチェインを使用したいケースを想定しています。
- Arm DS IDEの外部で既に設定されていない限り、機能安全Arm Compilerライセンスに対するライセンスファイルあるいはライセンスサーバーの設定を追加しなければなりません。 Arm DS IDEのlicense wizardをHelp→Arm License Managerのメニューから起動して設定を行います。詳細については、Arm Development Studio Getting Started Guideの"Adding a license"を参照してください。
- 機能安全Arm compilerツールチェインを使用するプロジェクトに以下の手順で環境を設定します:
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Project Explorerビューでプロジェクトを選択し、File→Propertiesメニューを開きます。
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Project PropertiesダイアログでC/C++ Build→Environmentを選択します。
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Configurationドロップダウンリストで[All configurations]を選択します。
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Select...ボタンをクリックして、ARM_PRODUCT_DEFという名前の環境変数をリストから選択します。
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元のダイアログウィンドウに戻り、ARM_PRODUCT_DEFを選択したままの状態でEdit...ボタンを押します。ARM_PRODUCT_DEFの値に機能安全Arm Compilerツールチェインのインストレーションディレクトリ内にある/sw/mappings/product.elmapへの完全修飾パスを設定します。この手順を行うことで、Arm DS IDE用に設定済みのものではなく、ここで設定した機能安全Arm Compilerツールチェイン側を使用するようになります。
以下のスクリーンショットが上記の主な手順を示しています:
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代わりに機能安全Arm Compilerツールチェインをコマンドラインから使用する場合は"Arm Compilerツールチェインをスタンドアローンで使用する際の設定について"にある"Arm Compiler単体のライセンスを持っている場合"の方法を参照してください。
登録したツールチェインはselect_toolchainあるいはsuite_execユーティリティを使うことで同じライセンス設定を使用してコマンドライン(Arm DS Command Prompt)から使用できます。コマンドラインからの使用についての詳細はArm Development Studio User Guideの"Register a compiler toolchain using the Arm DS command prompt"を参照してください。
◆select_toolchainあるいはsuite_execユーティリティを使用しないでコマンドライン環境を設定する場合
この場合、Armは以下の方法を取ることを推奨します:
- Arm DS IDEからライセンスの設定を行います。
- 以下の環境変数の設定値を確認するために、オペレーティングシステムのコマンドラインユーティリティ(DS-5 Command Prompt等)を一度実行します:
- ARMLMD_LICENSE_FILE
- ARM_PRODUCT_DEF
上記の環境変数を実際に使用したいコマンドライン環境でも全く同じになるように設定します。これらの環境変数の値は、Arm Development StudioのバージョンとArm DS IDEで行ったライセンスの設定に依存していることに注意してください。どちらかが変更された場合は値を再取得して設定しなおす必要があります。
Keil MDK uVision IDEから使用する場合
以下の方法はKeil MDK 5.x以上で対応しています。
使用したいArm CompilerツールチェインはKeil MDKのインストレーションディレクトリ内のARMサブディレクトリにインストールされていなければなりません。 例えば、Keil MDKのインストレーションディレクトリが、C:\Keil_v5である場合、Arm Compiler 6.10が推奨されるインストレーションパスはC:\Keil_v5\ARM\ARMCompiler6.10となります。
KeilシングルユーザライセンスあるいはKeilフローティングライセンスでは32-bit Windows版のArm Compilerのみ使用可能なことに注意してください。
uVision IDEからツールチェインを登録する方法は、version 5.12以降ではuVision User's Guide for Keil MDK内、"Manage ARM Compiler Versions"を参照してください。
それ以前のバージョンをお使いの場合は、Keil Application Note 267を参照してください。
登録されたArm CompilerツールチェインはuVision IDE上で設定されたライセンスを使用します。機能安全Arm CompilerツールチェインはMDK Professionalのライセンスが必要であることに注意してください。