Arm Development Studio 2022.1 リリースノート
リリースオーバービュー
以下のセクションではリリース時の製品とクオリティステータスについて記載します
製品について
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
製品に含まれるもの
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDE は、Arm ベースのプロジェクトの作成、構成、ビルド、デバッグ、および最適化を可能にする Eclipse ベースのグラフィカル フレームワークです。
Arm Compiler
Arm Compiler 6ツールチェインによってArmv6-M、Armv7、Armv8、およびArmv9アーキテクチャを含むArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。
Arm Debugger
Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
Arm Fixed Virtual Platforms
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-R、Cortex-MおよびNeoverseプロセッサ向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
Arm Streamline
Arm StreamlineはLinux、Androidおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
Arm Graphics Analyzer
Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。
リリースステータス
Arm Development Studio 2022.1ソフトウェアのリリース済み製品です。
本リリースでの変更点
Arm Development Studioの本リリースでは以下の変更が行われました。
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDEがベースとするEclipseのバージョンは本リリースにおいてEclipse 4.22(2021-12)にアップデートされました。Arm Compiler
本Arm Development StudioのリリースはArm Compiler for Embedded 6.18を含みます。本バージョンの詳細についてはRelease Note を参照してください。Arm Compiler 5 はレガシー製品となり、Mainstream Support の最終フェーズを迎えました。そのため、Arm Development Studioの製品とともには提供されなくなりました。しかしながらArm Compiler 5 はまだ既存のプロジェクト、旧Armv4、Armv5、またはArmv6 ターゲットの新しいプロジェクト用にご使用いただけます。-Legacy Arm Compilersのページ内Arm Compiler 5 の箇所からダウンロードして、Development Studio内でツールチェンとして追加してください。他のすべての新規プロジェクトについて、Armは非機能安全プロジェクトではArm Compiler for Embedded 6 を、または機能安全プロジェクトでは最新のArm Compiler for Embedded FuSa(Functional Safety) を使用いただく事を強く推奨します。
Arm Debugger
サポートデバイスの完全なリストはSupported Devicesのページを参照してください。Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.18にアップデートされました。より詳細についてはFast Models Release Historyのページを参照してください。本リリースではFVP_Base_Cortex-X1Cx2のモデルが追加されました。
Cortex-M85 FVP はこのリリースにおいて"FVP_MPS2_Olympus"から"FVP_MPS2_Cortex-M85"に改名されました。
Arm Streamline
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Streamlineはversion 8.1.0にアップデートされました。より詳細についてはArm Mobile Studio Release Noteのページを参照してください。Arm Graphics Analyzer
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Graphics Analyzerはversion 5.11.1にアップデートされました。より詳細についてはArm Mobile Studio Release Noteのページを参照してください。Examples
以下を追加しました:
- Arm Compiler for Embedded 6およびCortex-M55 FVPモデルとデバッガを使用したArmv8.1-MおよびM-Profile Vector Extension(MVE)サポートを行うベアメタルサンプル
- Cortex-R85用RTX5 RTOSサンプル
- CMSIS-Packsを使用するサンプルをCMSIS 5.9.0にアップデートしました
Supported Host Platforms
サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started GuideのHardware and host platform requirements の章をご参照ください。
本リリースでの既知の問題
- Arm DebuggerはまだDWARF5フォーマットのデバッグ情報をサポートしていません。ソースレベルデバッグを行うためにはアプリケーションをDWARF4フォーマットを指定してビルドしなければなりません。
- 一部の FVP モデルの内部構造がFast Models 11.18で変更されました。これらの FVP モデル用にArm Debuggerで提供されるデバッグ コンフィギュレーションは適宜更新されていますが、以前のバージョンのFast ModelsのFVPとは互換性がありません。
- Olimex ARM-USB FTDI/JTAGデバイス用のWindowsドライバをインストールすることはユーザ責任となります。 製造元からのアドバイスに従って、ドライバは https://www.olimex.com/Products/ARM/JTAG/_resources/OLIMEX-FTDI-drivers-2-12-04.zipからダウンロードできます。
- ローカルサブネット上のUDPブロードキャストによるArm Graphics Analyzer Linuxターゲットデバイスの検出は、Ubuntu 18.04ホストマシンでは信頼できません。 デバイスが検出されない場合は、ターゲットデバイスのIPアドレスとポート番号を指定して直接接続する必要があります。
- Arm Streamlineには以下の既知の問題があります:
- SDDAP-8095: StreamlineはまだDWARF5フォーマットのデバッグ情報をサポートしていません。ソースレベルデバッグを行うためにはアプリケーションをDWARF4フォーマットを指定してビルドしなければなりません。
- SDDAP-11426: NVIDIAドライバを使用するLinuxホストインストールでは、モニタースケーリングを使用すると、UIレンダリングの領域が黒い四角形として表示されることがあります。これは、Streamlineを起動する前に環境変数GDK_SCALEを1 に設定することで回避できます。これは Streamline 起動スクリプトで設定を行うことで使いやすくなります。
サポート
Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはオンラインのGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupportサイトもご利用いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。