Windowsクライアント上で動作するARM Developer Suite(ADS) v1.2、v1.2.1およびRealView Compilation Tools(RVCT)v1.2では、フローティングライセンスに関する問題が発生する可能性があります。
これらのツールはFLEXlm 7.2ライブラリを含みます。
この問題が発生した場合、FLEXlm -12,122エラーが表示されます。
クライアント-サーバネットワークの通信が正常に動作しているなら(簡単に言えば、クライアントからサーバにpingが通る状態)、これらの問題の原因はARMツールにリンクされたFLEXlmコンポーネントと、Windows TCP/IPスタックに関する問題をクライアント上でひきおこす可能性がある一部のソフトウェアとの間の相互作用と考えられます。
これら特定の問題は、ADSv1.2xとRVCTv1.2の両方で使用されているFLEXlm v7.2の固有の問題であり、他のARMツールには影響を与えることはありません。
以下が問題の原因として知られているものです:
- ウィルス対策ソフトウェア
- ファイヤウォール/VPN
- Spyware
- TCP/IPスタック
1)Antivirus Software
クライアント上にあるウィルス対策ソフトウェアは、TCP/IPスタックにおける問題を引き起こす可能性があります。
クライアントからウィルス対策ソフトウェアを(単純に、無効にするよりも)アンインストールし、再度ライセンスのチェックアウトを試してください。
Macrovisionはウィルス対策、またはファイアウォールソフトウェアの特定の設定がFLEXlmv7.2における問題を起こしうると言っています。
特に、McAfee software(VirusScan7, Internet Security 5, および Firewall 4)とFLEXlmの組み合わせで発生することが知られています。
これは、McAfee knowledge base article 60985に詳細が記載されています。
McAfee は McAfee software をアップグレードするか、アンインストールすることを推奨しています。
ソフトウェアを無効にするだけでは十分ではありません。
TCP/IPスタックリセットを行わずに、McAfee VirusScan 7 を消去するだけでは必ずしもライセンスに関する問題を解決しない場合があります。この場合、4)TCP/IPスタックを参照してください。
2)ファイヤウォール/VPN
Microsoft ISA client firewallには既知の問題があります。
Macrovisionは、このファイアウォールソフトウェアを削除することが対応策だといっています。しかしながら、このソフトウェアがインストールされていても、ライセンスチェックアウトが成功されなければなりません。
3)Spyware
特定の"Spyware"は、-12,122エラーを引き起こすことがあります。
Spywareを見つけて、削除することにより問題が解決する可能性があります。
4)TCP/IPスタック
Windows上のTCP/IPプロトコルを削除し、再インストールすることにより問題が解決することがあります。しかし、これはシステムに関するリスクを伴いますのでバックアップを事前に作成するか、WindowsXPシステムによるポイントの復元を行うことを推奨します。
Windows 2000
Windows 2000では、スタックをクリアするためにTCP/IPドライバのアンインストール、再インストールを行うことができます。
- スタートメニューからコントロールパネルを開きます。
- ネットワークとダイヤルアップ接続を選択します。有効な接続のダイアログが開きます。
- 任意のローカルエリア接続のアイテム上でダブルクリックをすると、ローカルエリア接続の状態ダイアログが開きます。
- プロパティのボタンをクリックし、ローカルエリア接続のプロパティウィンドウを開きます。
- 項目のリストから、インターネットプロトコル(TCP/IP)エントリを選択し、削除ボタンをクリックしてください。
OKをクリックしてダイアログを閉じます。
コンピュータを再起動してください。 - Internet Protocolの再インストールは、1.~5.のステップを繰り返し、インストールボタンをクリックします。
これにより、ネットワークコンポーネントの種類の選択ダイアログが開きます。 - 製造者リストからMicrosoftを選択します。
ネットワークプロトコルリストで、インターネットプロトコル(TCP/IP)を選択します。 Windows2000のディスクを挿入し、プロトコルを見つけるためにブラウズする必要がある場合があります。
OKをクリックしてインストールを行ってください。 コンピュータの再起動が必要な場合があります。 - TCP/IPスタックのリセットがこれで完了しました。
Windows XP
WindowsXP上では、TCP/IPドライバのアンインストールができない為に、TCP/IPスタックをクリアするためにレジストリを修正する必要があります。
- 現在のレジストリ設定をセーブしてください。レジストリエディタを開き(スタート→ファイル名を指定して実行→regedit)、以下のレジストリブランチを開いてください。
HKEY_LOCAL_MACHINESYSTEMCurrentControlSetServicesTcpip
右クリックしてエクスポートを選択してください。 - TCP/IPスタックをリセットします。WindowsXPでは、"netsh"コマンドで実行します。
> netsh int ip reset [log_file_name]
これについては、Microsoft knowledge base article 299357に詳細が記載されています。WindowsXPでは、Winsock2レジストリキーが壊されることがあります。
壊れたキーがネットワークの問題を起こす可能性があります。
これを解決するために、最初に壊れたキーを削除し、次にTCP/IPプロトコルを再インストールする必要があります。
壊れたレジストリキーの削除方法:
- スタート→ファイル名を指定して実行を選択します。
- 入力エリアにregeditを入力し、OKをクリックします。
- レジストリエディタで、次の各キーを開き、キーを右クリックして削除します。
HKEY_LOCAL_MACHINESystemCurrentControlSetServicesWinsock HKEY_LOCAL_MACHINESystemCurrentControlSetServicesWinsock2
- 削除の確認が促されたらはいをクリックしてください。
注意: Winsockキーを削除した後は必ずコンピュータを再起動してください。 それによりWindows XPオペレーティング・システムが上記の2つのキーのための新しいシェルエントリを作成します。 もし、Winsockのキーを削除したあと、再起動しなかった場合、次のステップはうまくいきません。
TCP/IPのインストール方法:
- コントロールパネル内のネットワーク接続を選択し、ローカルエリア接続の箇所で右クリックします。
ウィンドウ内でプロパティをクリックします。 - インストールをクリックします。
- プロトコルをクリックし、追加をクリックします。
- ディスク使用をクリックします。
- C:Windowsinfを入力し、OKをクリックします。
- 有効なプロトコルのリストから、インターネットプロトコル(TCP/IP)をクリックしOKをクリックします。
- コンピュータを再起動します。
Winsock2レジストリキーの破壊に関しては、Microsoft knowledge base article811259に詳細な記載があります。