Arm Development Studio 2020.0 リリースノート
紹介
このリリースノートは以下を含みます:
- パッケージに含まれるツールのハイライト
- version 2020.0の更新情報
- Development StudioのGetting Started
- フィードバックおよびサポート
- このリリースでの既知の制限事項
Development Studioに含まれるもの
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
Arm Compiler
Arm Compiler 5およびArm Compiler 6ツールチェインによってArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。Arm Compiler 5はArmv4からArmv7までのすべてのArmアーキテクチャをサポートしています。Arm Compiler 6はArmv6-M、Armv7およびArmv8アーキテクチャをサポートしています。
Arm Debugger
Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
Arm Fixed Virtual Platforms
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-RおよびCortex-M向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
Arm Streamline
Arm StreamlineはLinux、Androidおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
Arm Graphics Analyzer
Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。
version 2020.0の更新情報
Arm Development Studio IDE
- Eclipseを2019-09(4.13)に更新しました
- Cortex-M55、Cortex-A77、およびNeoverse N1プロセッサ用のサンプルコードが含まれています
Arm Compiler
- 最新の機能追加、バグ修正およびパフォーマンス改善が行われたver 6.14にアップデートされました。コンパイラのリリースノートはArm Compiler 6 Downloadsのページからご覧いただけます。
Arm Debugger
本 Arm Development Studioのリリースでは以下の新しい機能追加と改善が行われています:
- Cortex-M55 および STARプロセッサのデバッグがBroze Editionでも可能になりました。
- Cortex-A34、Cortex-A77、Neoverse N1プロセッサのデバッグがSilver Editionに含まれるようになりました。
- Arm Custom InstructionsのサポートがすべてのEditionで有効になりました。
- ST-Link、FTDIデバッグプローブの接続がすべてのEditionで有効になりました。
- Platform Configuration Editor(PCE)およびCSAT-600における、デバッグプローブのULINK familyおよびその他サードパーティプローブのサポートを改善しました。
- SoC-600 CATUをサポートしました。
- Irisデバッグおよびトレースインターフェイスを仮想プロトタイプでサポートしました。
- ArmデバッガのデバッグプローブAPIがインストーラの一部に組み込まれました。
- 以下の新しいデバイスサポートが追加されました。
- Cortex-M33 (SSE-200 Subsystem) MPS2+ FPGA
- Cortex-M33 (SSE-200 Subsystem) MPS3 FPGA
- Corstone-700 MPS3 FPGA
- DesignStart A5 MPS3 FPGA
- Raspberry Pi 4
- NVIDIA Xavier
- Renesas R-Car D3
- Renesas R-Car V3M
- Renesas R-Car E3
- 以下の新しいArm Fixed Virtual Platform(FVP)デバッグ構成が追加されました。
- MPS2 Cortex-M55
- Base Neoverse N1
- Base Cortex-A77
サポートデバイスの完全なリストはSupported Deviceのページを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms
- 最新の機能追加、バグ修正およびパフォーマンス改善が行われたversion 11.10にアップデートされました。
完全なリリースノートはFast Models Release Historyのページを参照してください。
Arm Streamline
本Development Studioのリリースでは以下の機能追加と改善が行われています:
- version 7.2にアップデートしました。
- 以下のデバイスを新しくサポートしました:
- Cortex-M55
- Cortex-A34
- Cortex-A77
- Mali-G57
以下の機能は非推奨となっていましたが、本リリースより削除されました:
- Streamlineは、過去2年間に作成されたツールからデータファイルをロードするための下位互換性を提供します。 このリリースでは、Streamline 6.5以前で生成されたファイルのロードのサポートが削除されています。
- 古いツールから構築されたgatordを使用したデータキャプチャ。 データキャプチャは、使用しているホストツールに同梱されているgatordのバージョンを使用する必要があります。
- gator.koカーネルモジュールを使用したカーネルモードのデータキャプチャ。 データキャプチャは、標準のLinux Perfデータ収集インターフェイスを使用して、データを収集するためにgatordを使用する必要があります。
- Arm SoC Designerからのモデルデータキャプチャ。
Arm Graphics Analyzer
本Development Studioのリリースでは以下の機能追加と改善が行われています:
- version 5.5にアップデートしました。
- AOpenGL ESおよびVulkan向けのAndroid 10 interception を改善しました。
以下の機能は非推奨となっていましたが、本リリースより削除されました:
- AndroidおよびLinuxターゲットでキャプチャされたトレースのリプレイ機能。APIシーケンスをキャプチャおよび再生するための推奨代替案は以下になります:
Supported Host Platforms
サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started GuideのHardware and host platform requirementsをご参照ください。
重要な注意事項:RedHat Enterprise Linux 6のサポートは廃止されました、Microsoft Windows 7オペレーティングシステムのサポートは将来のリリースで廃止となります。
Getting Started
Development Studioの詳細およびインストールの手順についてはオンラインのGetting Startedのページをご参照ください。
Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
システム要件
Arm Development Studioを快適に使用するためのハードウェアおよびホストプラットフォームの最小要件は以下の通りです:
- ハードウェア要件
- Dual core x86 2GHzプロセッサ(またはそれ相当)
- 2GBのRAM
- 約3GBのハードディスクの空き
- 大きなサイズのイメージのデバッグ
- 大きなメモリマップをモデルでシミュレートする場合
- Streamlineの使用
以下の操作を行う場合のパフォーマンスの向上のためには最小で4GBのRAMを推奨します。
- ホストプラットフォーム要件 Development Studioは以下のホストプラットフォームをサポートします。
- Windows 7 SP1 Professional Edition
- Windows 7 SP1 Enterprise Edition
- Windows 10
- Red Hat Enterprise Linux 7 Workstation
- Ubuntu Desktop Edition 16.04 LTS
- Ubuntu Desktop Edition 18.04 LTS
フィードバックおよびサポート
Development Studio Learnのページでチュートリアル、マニュアルおよびビデオをご覧いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。
注目すべき問題と制限事項
- ローカルサブネット上のUDPブロードキャストによるArm Graphics Analyzer Linuxターゲットデバイスの検出は、Ubuntu 18.04ホストマシンでは信頼できません。 デバイスが検出されない場合は、ターゲットデバイスのIPアドレスとポート番号を指定して直接接続する必要があります。
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Arm DS IDE [DSCORE-8640]-以前のバージョンのArm DSで作成されたワークスペースを開くと、IDEはワークスペースをアップグレードするように求め、アップグレードを実行するのではなく別のワークスペースに変更するオプションが表示されます。
ただし、ワークスペースの変更オプションでは、別のワークスペースを選択できるようにするのではなく、同じダイアログが再度誤って表示されます。 これはEclipse IDEの既知の問題です(https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=551260を参照)。
ワークスペースを変更するには、コマンドラインからArm DS IDEを起動し、ワークスペースのディレクトリパスをパラメーターとして渡します。 例:「armds_ide -data /path/to/workspace」。
また、ワークスペースをアップグレードすると、アップグレードされたワークスペース設定が以前のバージョンで機能しなくなる可能性があることにも注意してください。 ワークスペース内のプロジェクトは、ワークスペースをアップグレードしても影響を受けません。
- Arm DS IDE [DSCORE-8365]-Ubuntu 16.04では、IDEのUIエクスペリエンスが低下しています。 これは、テーブルのセルエディターに影響するバグGTK 3.18が原因です。 これはEclipseの既知の問題です(https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=533221を参照)。
- プラットフォーム構成エディター:PCEの構成オプションの値を直接変更できなくなりました。 代わりに、SDF/MDFファイルの値を手動で編集する必要があります。
- [信号の管理]ダイアログボックス:[信号の管理]ダイアログボックスで信号処理を構成できなくなりました。 代わりに、handleコマンドを使用してください。
影響を受ける機能:<\p>