Arm Development Studio 2021.2 リリースノート
紹介
このリリースノートは以下を含みます:
- パッケージに含まれるツールのハイライト
- version 2021.2の更新情報
- Development StudioのGetting Started
- フィードバックおよびサポート
- このリリースでの既知の制限事項
Development Studioに含まれるもの
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
Arm Compiler
Arm Compiler 6ツールチェインによってArmv6-M、Armv7およびArmv8アーキテクチャを含むArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。
Arm Debugger
Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
Arm Fixed Virtual Platforms
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-RおよびCortex-M向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
Arm Streamline
Arm StreamlineはLinux、Androidおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
Arm Graphics Analyzer
Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。
version 2021.2の更新情報
Arm Development Studio IDE
- Host OS サポートにUbuntu 20.04 を追加しました。
Arm Compiler
本Arm Development StudioのリリースはArm Compiler for Embedded 6.17を含みます。本バージョンの詳細についてはRelease Note を参照してください。Arm Compiler 5 はレガシー製品となり、Mainstream Support の最終フェーズを迎えました。そのため、Arm Development Studioの製品とともには提供されなくなりました。しかしながらArm Compiler 5 はまだ既存のプロジェクト、旧Armv4、Armv5、またはArmv6 ターゲットの新しいプロジェクト用にご使用いただけます。-Arm Compiler 5 Downloadsのページからダウンロードして、Development Studio内でツールチェンとして追加してください。他のすべての新規プロジェクトについて、Armは非機能安全プロジェクトではArm Compiler for Embedded 6 を、または機能安全プロジェクトでは最新のArm Compiler for Embedded FuSa(Functional Safety) を使用いただく事を強く推奨します。
Arm Debugger
本 Arm Development Studioのリリースでは以下の新しい機能追加と改善が行われています:
- Olimex ARM-USB FTDI/JTAGを含むようにFTDIプローブのサポートを拡張しました。(以下の注目すべき問題と制限事項もご参照ください)
- ボードの立ち上げとトレースの設定を支援するために、HSSTP シグナルインテグリティの測定と診断のためのグラフィカルBER data-eye 機能を備えたDSTREAM-HTダッシュボードを追加しました。
- Renesas RZ/G2L(デバッグとon-chip トレース) およびXilinx Versal(デバッグのみ。トレースなし) ターゲットプラットフォームをサポートしました。
- Fixed Virtual Platform FVP_Base_RevC-2xAEMvAおよびVirtual Hardware Target VHT_Corstone-300 の新しいデバッグコンフィギュレーションが追加されました。
Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.16にアップデートされました。完全なリリースノートはFast Models Release Historyのページを参照してください。Arm Streamline
以下の新しい機能追加と改善が行われたversion 7.8.0にアップデートされました:
- clang コンパイラでコンパイルされたコードのリーフ関数についてソフトウェアプロファイリングでより正確に見積もりができるようになりました。
- Mali GPU templates(Bifrost/Valhall)はジオメトリシェーディング効率メトリックを表示するように拡張されました。:入力プリミティブごとの位置シェーダー呼び出しの数、および表示されているプリミティブごとのさまざまなシェーダー呼び出しの数
- Mali GPU templates(Bifrost/Valhall)はシェーダーごとのコア "L2 memory reads"および"External memory reads" statistics においてフラグメントフロントエンド読み取り帯域幅を表示するように拡張されました。
Arm Graphics Analyzer
以下の新しい機能追加と改善が行われたversion 5.9.1にアップデートされました:
- フレームバッファビューでR11G11B10f フレームバッファが正しく表示されるようになりました。
Documentation
Arm Developer で提供されるドキュメントPDFが、新しい見た目と操作感を提供するため再フォーマットされました。
Examples
以下の改善を含みます:
- 新しいOverlay Manager with Manual Overlays のサンプルが、既存のAutomatic Overlays のサンプル同様に提供されるようになりました。
- AArch32で実行されているEL1アプリを示していた以前のサンプルから、AArch32 で実行中のEL0 アプリを示すArmv8-A AC6/GCC のサンプル( "startup_Armv8-A_AArch64_with_AArch32_EL0_app")に置き換えられました。
- CMSIS-Packs を使用するサンプルはCMSIS-Pack 5.8.0 を使用するように更新されました。
Supported Host Platforms
サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started GuideのHardware and host platform requirements の章をご参照ください。
Getting Started
Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはオンラインのGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
フィードバックおよびサポート
Development Studio Learnのページでチュートリアル、マニュアルおよびビデオをご覧いただけます。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupportサイトもご利用いただけます。また、Arm CommunityのWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。
注目すべき問題と制限事項
- Arm DS IDE [DSCORE-8640]-以前のバージョンのArm DSで作成されたワークスペースを開くと、IDEはワークスペースをアップグレードするように求め、アップグレードを実行するのではなく別のワークスペースに変更するオプションが表示されます。
ただし、ワークスペースの変更オプションでは、別のワークスペースを選択できるようにするのではなく、同じダイアログが再度誤って表示されます。 これはEclipse IDEの既知の問題です(https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=551260を参照)。
ワークスペースを変更するには、コマンドラインからArm DS IDEを起動し、ワークスペースのディレクトリパスをパラメーターとして渡します。 例:「armds_ide -data /path/to/workspace」
また、ワークスペースをアップグレードすると、アップグレードされたワークスペース設定が以前のバージョンで機能しなくなる可能性があることにも注意してください。 ワークスペース内のプロジェクトは、ワークスペースをアップグレードしても影響を受けません。
- Olimex ARM-USB FTDI/JTAGデバイス用のWindowsドライバをインストールすることはユーザ責任となります。 製造元からのアドバイスに従って、ドライバは https://www.olimex.com/Products/ARM/JTAG/_resources/OLIMEX-FTDI-drivers-2-12-04.zipからダウンロードできます。
- ローカルサブネット上のUDPブロードキャストによるArm Graphics Analyzer Linuxターゲットデバイスの検出は、Ubuntu 18.04ホストマシンでは信頼できません。 デバイスが検出されない場合は、ターゲットデバイスのIPアドレスとポート番号を指定して直接接続する必要があります。