Arm Development Studio 2022.2 リリースノート
リリースオーバービュー
以下のセクションではリリース時の製品とクオリティステータスについて記載します
製品について
Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。
本製品の使用に関するサーベイは、発売後一定の時間継続して行われます。https://www.surveymonkey.co.uk/r/Arm-Development-Studio にてフィードバックを行っていただく事を歓迎します。
製品に含まれるもの
Arm Development Studio IDE
Arm Development Studio IDE は、Arm ベースのプロジェクトの作成、構成、ビルド、デバッグ、および最適化を可能にする Eclipse ベースのグラフィカル フレームワークです。
Arm Compiler
Arm Compiler 6ツールチェインによってArmv6-M、Armv7、Armv8、およびArmv9アーキテクチャを含むArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。
Arm Debugger
Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。
]Arm Fixed Virtual Platforms
Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-R、Cortex-MおよびNeoverseプロセッサ向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。
Arm Streamline
Arm StreamlineはLinux、Android、RTOSおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。
Arm Graphics Analyzer
Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。
リリースステータス
Arm Development Studio 2022.2ソフトウェアのリリース済み製品です。
本リリースでの変更点
Arm Development Studioの本リリースでは以下の変更が行われました。
プロセッサおよびアーキテクチャサポート
以下のプロセッササポートが追加されました:- Cortex-A715
- Cortex-X3
以下のアーキテクチャおよび拡張サポートが追加されました:
- Armv8.7-AおよびArmv9.2-A
- Realm Management Extension (RME)
Arm Compiler for Embedded
本Arm Development Studioのに含まれるArm CompilerはArm Compiler for Embedded 6.19にアップデートされました。本バージョンの詳細についてはRelease Note を参照してください。Arm Compiler 5 はレガシー製品となり、Mainstream Support の最終フェーズを迎えました。そのため、Arm Development Studioの製品とともには提供されなくなりました。しかしながらArm Compiler 5 はまだ既存のプロジェクト、旧Armv4、Armv5、またはArmv6 ターゲットの新しいプロジェクト用にご使用いただけます。-こちらのページ内からArm Compiler 5 に関するリンクを経由してダウンロードし、Development Studio内でツールチェンとして追加してください。他のすべての新規プロジェクトについて、Armは非機能安全プロジェクトではArm Compiler for Embedded 6 を、または機能安全プロジェクトでは最新のArm Compiler for Embedded FuSa(Functional Safety) を使用いただく事を強く推奨します。
Arm Debugger
Arm Debuggerには、以下の新機能と拡張機能を含みます:- Authenticated Debug Access Control (PSA-ADAC)のサポート
- CoreSight SoC-600 r5p0のサポート
- DWARF 5形式デバッグ情報の初期サポート(以下のKnown issues in this releaseにある制限事項を参照)
- 最大64のハードウェアブレークポイントおよび/またはウォッチポイントを持つシステム(FEAT_Debugv8p9)のサポート
サポートデバイスの完全なリストはSupported Devicesのページを参照してください。
Arm Fixed Virtual Platforms
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm FVPはFast Models 11.19にアップデートされました。より詳細についてはFast Models Release Historyのページを参照してください。本リリースではFVP_Base_Cortex-A715、FVP_Base_Cortex-X3およびFVP_Base_AEMvAのモデルが追加されました。
固定されたコア数のCPUクラスタコンフィギュレーションを持つ一部のArmv8 FVPは、コア数をコンフィギュレーション可能なFVPに置き換えられました。例えば、FVP_Base_Cortex-A76x1、FVP_Base_Cortex-X1x2、FVP_Base_Neoverse-N1x4は、それぞれFVP_Base_Cortex-A76、FVP_Base_Cortex-X2、FVP_Base_Neoverse-N1に置き換えられました。FVP の起動時に、"NUM_CORES" パラメータを使用してコア数を指定します。Arm DS Debuggerのconfiguration databeseが更新され、既存の.launchファイルは自動的に移行されます。
Neoverse N2("Direct Connect"コア)の場合、FVP_Base_Neoverse-N2はシングルコアモデル、FVP_Base_Neoverse-N2x1-Neoverse-N2x1はデュアルコアモデルです。
Arm Streamline
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Streamlineはversion 8.3.0にアップデートされました。より詳細についてはArm Mobile Studio Release Noteのページを参照してください。Arm Graphics Analyzer
本Arm Development Studioのリリースに含まれるArm Graphics Analyzerはversion 5.12.0にアップデートされました。より詳細についてはArm Mobile Studio Release Noteのページを参照してください。Examples
以下を追加しました:
- Arm Compiler for Embedded 6、AEMvA FVPモデルおよびDebuggerでのRealm Management Extension (RME)サポートを確認できるベアメタルサンプル
Supported Host Platforms
サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started GuideのHardware and host platform requirements の章をご参照ください。
本リリースでの既知の問題
- Arm Debugger:DWARF 5デバッグ情報の初期サポートについて
- デフォルトでは、DWARF 5サポートは有効化されていません。DWARF 5の新しいLLVMベースのサポートを有効化する手順については、User Guideを参照してください。
- Arm Compiler 5以前を使用してビルドされたコンパイルユニットを含むイメージは、LLVMベースのDWARFパーサではサポートされません
- LLVMベースのDWARFパーサのパフォーマンスは、大量のデバッグ情報を含むイメージでは低下する可能性があります
- メモリオーバーレイのデバッグ情報を含むイメージは、LLVMベースのDWARFパーサではサポートされません
- スプリットDWARFはサポートされません
- C++のauto return型、C++のdeleted member function、およびDWARF expression stack内のtyped valueはテストされていません
- Arm Debugger:Olimex ARM-USB FTDI/JTAGデバイス用のWindowsドライバをインストールすることはユーザ責任となります。 製造元からのアドバイスに従って、ドライバは https://www.olimex.com/Products/ARM/JTAG/_resources/OLIMEX-FTDI-drivers-2-12-04.zipからダウンロードできます
- Arm Graphics Analyzer:ローカルサブネット上のUDPブロードキャストを介したLinuxターゲットデバイスの検出は、Ubuntu 18.04ホストマシンでは信頼できません。デバイスが検出されない場合は、ターゲットデバイスのIPアドレスとポート番号を指定して直接接続する必要があります
- Arm Streamline:NVIDIAドライバを使用するLinuxホストインストールでは、モニタースケーリングを使用すると、UIレンダリングの領域が黒い四角形として表示されることがあります。これは、Streamlineを起動する前に環境変数GDK_SCALEを1 に設定することで回避できます。これは Streamline 起動スクリプトで設定を行うことで回避できます(SDDAP-11426)
サポート
Development Studioの詳細、システム要件およびインストールの手順についてはオンラインのGetting Started のページをご参照ください。
Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。
DS-5から移行を行う際には、DS-5 migration guideが迅速な移行のお役に立ちます。
チュートリアル、ドキュメントおよびビデオがDevelopment Studio Resourcesにあります。
技術的なご質問は弊社DTSインサイトArmサポートまでお寄せいただくか、Arm社Arm DeveloperのSupportサイトもご利用いただけます。
また、Arm CommunityのWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。