1. エラーの意味
ライターから送信したコマンドフレームに対する応答(ビジィフレーム)のData1(先頭バイト)の
内容が、ライターから送信したコマンド番号と一致しない(正常データではない)場合に発生する
エラーです。
通常、ビジィフレームは受信したコマンド番号と同じ値を返す(エコーバックする)仕様になって
いるため、データ不一致を検出した時点でエラーとして判定されます。
2. エラー発生の要因と対策
①ECU(ターゲット)側の異常応答・誤動作
要因:
・カスタマイズしたIBL/WCPやユーザーアプリの動作によってWCP展開領域やRAMワーク領域
(スタック・ヒープ・グローバル変数等)が破壊され、WCPが正しく動作していない可能性、
またはRAM上の領域重複 (メモリコンフィギュレーション異常)。
対策:
・IBL/WCPおよびユーザーアプリのリンカマップ(メモリ配置)を確認し、RAM上の領域重複が
ないか確認・修正します。
・修正プログラムをビルドしてターゲットに書き込み(IBLやユーザーアプリはシリアルライタ等で
書き込みます)、WCPはYIMフォルダ内のBTPファイルを入れ替えます。再度リプロを実行して
エラーが解消するか確認します。
<ソースコード改変およびカスタマイズに関するご注意>
弊社提供のソースコードをお客様にて改変された場合は、サポート保証外になりますので、
お客様の責任範疇で評価および実装をお願いいたします。解析依頼をお受けする場合は、
調査エンジニアリング工数分の費用(実費)が発生いたします。また、デバイス(マイコン)変更を
ともなう改造については、原則別途マイコンパック開発費のご請求対象となります。
②他のCANノードによる干渉(実車・車両環境特有)
要因:
・車両CANネットワーク上の書き込み対象外ノード(例:FIのECUなど)からデータが送信
された際、WCPがそのパケットを「未定義コマンド(イリーガルコマンド)」と認識して
エラー応答(FEh等)を返してしまうケース。
対策:
・単体(書き込み対象のECUのみ)の環境で書き込みを実施し、エラーが発生しないことで、
他ノードの干渉の有無を切り分けます。
・リプログ実行時はデータ干渉している他のCANノードをネットワークから一時的に切り離します。
・実車環境において他のCANノードを切り離せない場合は、WCP側を改造して不要なIDを
フィルタリングしエラー応答を返さないように制御します。
③共通の確認・対策項目
・CAN通信ログの採取とプロトコル解析
・エラー発生時のCAN通信ログ(時間データを含む)を採取し、UCOPプロトコル仕様に沿った
送受信が行われているか確認します。ログ上でコマンド送信に対して正しく同じコマンド番号の
Data1が返送されているかで正常性を検証します。
※ログ採取時は、CANロガー(プロトコルアナライザ)自身がACKスロットを上書きしない設定
(Listen Mode/ACKを返さない)にすることが必須です。
・YIMフォルダ(設定ファイル)の再確認
・フォルダ内のBTPファイル等の中身が破損している可能性を考慮し、机上環境等で正常動作が
確認できているクリーンなYIMフォルダに入れ直して試します。YIMフォルダ入れ替え後に再度
実行し、設定ファイル起因エラーでないか確認します。
・定義体ファイル(.CM)のバージョン確認
・使用している定義体ファイル(.CM)のバージョンが古い場合は、最新のものと入れ替えて
動作を確認してください。
・最新の定義体リリースバーション
・FCX839-S2:Ver17.03
・FCX839-S3:Ver17.00
・NAPYDC839G:Ver15.06
<関連資料>